2022年7月21日(木) 「Xへの手紙」 /大江公樹
- manebiyalecoda
- 2022年8月10日
- 読了時間: 1分
今回も、小林先生の文章と直に向き合はせる講義を有難うございました。
講義に向けて、「Xへの手紙」を何度か読みましたが、難解な場所が多く、未だ文章全体を透徹してみることは出来てをりません。ただ、「和やかな目」、現実からの抵抗を受ける言葉、清潔な抽象と現実との関係など、幾つかの断片が、確かな音として響いてきました。また、文章が小林先生ののつぴきならぬ宿命の上に立つてゐる、といふ感覚も覚えてをります。
講義では「Xへの手紙」の大きなテーマとして、自己解析的、抽象気質、懐疑気質、他者願望といふ四つの大きな見方を教へて頂きました。これらは、「Xへの手紙」を読む際は勿論、青年小林秀雄を理解する上での大切なキーワードであると思ひました。「Xへの手紙」は勿論、初期の小林先生の作品を読む際に、手がかりとしてみたく存じます。
また講義の最後では、書きまくつた後に、今度は徹底的に削つてゆく、といふ小林先生の原稿作成術を伺ひました。文章を書いてゐると、思ひ通りにならず、弱音を吐きたくなることも多々ありますが、物を書くとはそれだけ苦労するものだと、叱咤された思ひでした。
次回の講義も楽しみにしてをります。
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