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  • manebiyalecoda

2022年4月21(木)「一ツの脳髄」 /大江公樹

 今回も駆け抜けてゆくやうな、爽快な講義を有難うございました。


 事前に読んだ「一ツの脳髄」からは、自己の意識と向き合ひ苦闘する青年小林秀雄の姿が浮かび上がりました。池田先生の講義では、若き日の小林先生について話して頂き、小林先生が小説家から批評家へと、自分の道を見出してゆく様子を知ることができました。


 後半の講義では「歳月をかけること」といふテーマで講義を頂きました。私事ですが、今日の「学問」界にをりますと、短期での成果を求められ、こちらもつい忙しなくなつてしまひます。しかし先生のお話を聴き、やはり時間がかかることには時間をかけて良いし、さうあるべきなのだといふことを思ひ出しました。先生のお話がまさに私にとつてのユニバーサルモーターとなつた訳です。


 次回の講義もどうぞ宜しくお願ひ致します。

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2022年7月21日(木) 「Xへの手紙」 /大江公樹

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