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2021年5月20日(木)「芥川龍之介の美神と宿命」 /広島 森原

  • manebiyalecoda
  • 2021年6月5日
  • 読了時間: 1分

 今回のご講義の前に、『鼻』『歯車』を読みましたが、芥川の作品は、また読み返したいという気が起こらず、何か不快な印象が残るのです。 

 次いで、小林先生の『芥川龍之介の美神と宿命』を読みましたが、言葉に引っかかり理解できません。「自殺的宿命」「神経のみを持っていた作家」「逆説的真理の定着」「逆説的触覚」「逆接的測鉛」「彼にとって人生とは彼の神経の函数としてのみ存在した」「人生を自身の神経をもって微分した」等々。 

 当日はお手上げ状態で参加しました。


 ところが池田先生のご説明で「美神」「宿命」「逆説的心理」「主調低音」等の意味が分かりだすと俄然面白くなってきました。 

 そして、小林先生の仕事の基本姿勢は、本居宣長と同じだということに気が付きました。作品の中に飛び込み、心を動かすものを掴むまで彷徨し、心が語りだすまで対象に向き合うということです。自身の言葉が語りだして初めて仕事の対象になりえるのです。

 

 難しくて、近づきがたい小林秀雄作品ですが、池田先生のご案内で、固い鉄の扉が私の前で少しずつ開いて来るのを感じるのが喜びです。

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