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2021年4月講義「中原中也の思い出」

  • manebiyalecoda
  • 2021年5月8日
  • 読了時間: 1分

 2021年4月からのシリーズ【小林秀雄と作家たち その1】の第1回となる4月15日は、小林氏が昭和24年(1949)47歳の夏に書いた「中原中也の思い出」を読みます。

 30歳という若さで逝った天才詩人、中原中也は、今なお日本人に最も人気のある詩人と言っていい存在ですが、小林氏との関係も格別でした。小林氏は、大正14年(1925)23歳の春、中也と出会いました、しかし、「中原と会って間もなく、私は彼の情人に惚れ、三人の協力の下に(人間は憎み合う事によっても協力する)、奇怪な三角関係が出来上り」、やがてその女性と小林氏は同棲します。「この忌わしい出来事が、私と中原との間を目茶々々にした」という断腸の思いとともに「中原中也の思い出」は始められ、中也との間で織りなした悲劇と友情の行方を追います。

 あの日、中原とふたりで見上げた鎌倉妙本寺の海棠(かいどう)は美しく哀しく、そして今、悔恨の穴は深くて暗いと記す小林氏の切なさが、まざまざと私たちの胸に迫ります。

                                                        

 講師 池田 雅延

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