top of page

2021年2月講義「文化について」

  • manebiyalecoda
  • 2021年3月6日
  • 読了時間: 1分

 今月は、昨年7月から続けてきた講演文学シリーズの拡大版として「文化について」を読みます。

 この作品は、昭和24年(1949)、小林氏46歳の年に行われた横光利一追悼講演会での講演がもとになっていますが、その趣旨は昨年10月に読んだ「私の人生観」でも述べられています。したがって、今回の「文化について」は、「私の人生観」のいわば熟読篇です。

 今日私たちが口にしている「文化」という言葉は、明治時代に欧米から入ってきた言葉「culture」の訳語として広まったものですが、日本語の「文化」は「culture」に備わっているそもそもの語感をまったく伴っておらず、したがって日本人は文化文化と騒ぐだけで、文化とはどういうことかがわかっていないと小林氏は言います。

 「culture」は、もとは「栽培する」という意味の言葉です。だから欧米人は、どんな場合でも「culture」という言葉を耳にすると「栽培」という意味の語感を伴って聞き、ただちに何かが栽培されたのだな、あるいは何かを栽培するのだなと受取ります。それは、野菜や果物に限ったことではありません、人間も、いや人間こそは最大の「栽培」対象です。では、人間を栽培するとはどういうことでしょうか。小林氏の語りに耳を傾けましょう。


講師 池田 雅延

最新記事

すべて表示
2022年9月の講義 「カヤの平」

●前半「カヤの平」 ​(新潮社刊「小林秀雄全作品」第5集所収) ●後半「小林秀雄、生き方の徴」 (見るということ、聴くということ) ​ 前半の<小林秀雄山脈五十五峰縦走>は、第十峰、「カヤの平」(新潮社刊「小林秀雄全作品」第5集所収)を読みます。...

 
 
2022年8月講義 「故郷を失った文学」

●前半「故郷を失った文学」 ​ (新潮社刊「小林秀雄全作品」第4集所収) ​●後半「小林秀雄、生き方の徴」 (知るということ、感じるということ) 前半の<小林秀雄山脈五十五峰縦走>は、第八峰、「故郷を失った文学」(新潮社刊「小林秀雄全作品」第4集所収)を読みます。「故郷を失...

 
 
2022年7月講義 「Xへの手紙」

●前半「Xへの手紙」​ (新潮社刊「小林秀雄全作品」第4集所収) ●後半「小林秀雄、生き方の徴」 (読むということ、書くということ) ​ 前半の<小林秀雄山脈55峰縦走>は、第七峰、「Xへの手紙」(新潮社刊「小林秀雄全作品」第4集所収)を読みます。「Xへの手紙」は、昭和七年...

 
 

Comments


©l'ecoda Proudly created with Wix.com

  • Facebook Social Icon
  • Twitter Social Icon
bottom of page