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2020年12月講義『生と死』

  • manebiyalecoda
  • 2021年1月11日
  • 読了時間: 1分

 今月は「生と死」を読みます。この文章は、昭和47年(1972)2月、『文藝春秋』に発表されましたが、元となったのは前年の11月、東京宝塚劇場で催された「文藝春秋祭り」での講演です。一と月余り前には敬愛しつづけた志賀直哉氏が、2年前には親友のひとり獅子文六氏が亡くなっていました。生が終って死が来るのではない、死は早くから生のうちに在って、知らぬ間に己れを実現するのだ――死は前よりしも来らず、かねて後に迫れり、と言っている兼好の「徒然草」を味わい、志賀氏が生前、自ら用意し砂糖壺として使っていた益子焼の骨壺、獅子氏が毎年、花時には必ず出向いて見入り、最後の年にも見入った大磯の書斎の牡丹畑の花に思いを馳せ、両氏の死を得るさりげない工夫を小林氏もさりげなく語ります。この時期、小林氏は70歳を目前にしていました。

 講師 池田雅延


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