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2019年9月講義『当麻』

  • manebiyalecoda
  • 2019年9月24日
  • 読了時間: 1分

更新日:2021年1月11日


 今回新たにスタートする<「無常という事」シリーズ>の第1回は「当麻」(たえま)です。

 「当麻」は本来、世阿弥の手になった謡曲の曲名ですが、小林氏はこれを当時の能の第一人者、梅若万三郎の舞台で初めて観て、それまでまったく経験したことのない感覚に襲われます。あれは一体何だったのだろう、何と名づけたらよいのだろう……、中将姫のあでやかな姿が、舞台を縦横に動き出す、人間の生死に関する思想が、これほど単純な純粋な形を取り得るとは……、世阿弥の花は秘められている、確かに……。

 そして、この後に、小林氏の名言としていまなお人口に膾炙している次の言葉が記されます、――美しい「花」がある、「花」の美しさというようなものはない……。小林氏の「当麻」を読み味わうとは、この言葉に秘められた小林氏の思いを読み味わうことに尽きると言っても過言ではありません。

 この言葉はまた、10代、20代、30代と、フランス文学、ロシア文学に心酔し続け、日本の古典はほとんど読んでいなかった小林氏が、40歳を目前にして突然日本に回帰し、「当麻」を観、世阿弥の「風姿花伝」を読んで、日本というものを初めて目の当たりにして挙げた驚きの声だったとも言えるのです。

 9月19日の夜は、その小林氏の驚きを丹念に読んでいきます。


 講師 池田雅延

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